ヤスデの毒性と危険性について【専門家執筆】

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目次

ヤスデに毒性はある?危険にさらされた場合の対処法とは

ヤスデは、細長い体と多数の脚を持つ特徴的な見た目の生物です。
同じ特徴を持つムカデと比べると、脚はさらに多いです。

体は丸っこい場合が多く、種によっては大きなダンゴムシのように見える場合もあります。
動きはゆったりしており、ムカデのように素早く歩き回ることはありません。
攻撃性が低く、危険な毒を持っていないため、危険性は低い生物です。

しかし、素手でつかまえると身を守るために、刺激臭がする体液を分泌する場合があります。
体液に直接触れると、痒みを感じる場合があります。
また、目に入ると、赤く腫れたり痛くなることもあります。

そこでこの記事では、ヤスデの危険性や、危険にあった時の対処法、危険を防ぐための対策などを紹介します。

 

この記事を執筆した専門家

tk_tanaka【プロフェッショナル】

生物系大学院卒業後、自然環境系の建設コンサルタントに従事。
地理情報、自然環境や生物の生態等を専門とするほか、環境アセスメント図書作成の経験も有する生物環境分野の専門家。

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ヤスデの基本情報

ヤスデは、細長い体と多数の脚を持つ節足動物です。
日本国内には250種類以上のヤスデが確認されていて数mm程度〜数cmまで大きさは様々です。

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細長くて脚が多いという同様の特徴を持つ生物にムカデがありますが、一般的に、ムカデよりも、体が丸っこく、脚が短いことが多いです。
その脚の数は、ムカデよりも更に多いです。

ムカデと同様、多数の体節が連なった形状をしていますが、ムカデが一節から2本の脚が伸びるのに対し、ヤスデはその倍の4本の脚が伸びます。
なお、地球上の全動物の中で最も脚が多い種はヤスデの一種で、その数は1300本以上になるそうです。

国内に多数の種が生息するヤスデですが、その内、身近で確認されたり、人間に影響を与える可能性がある主な種は以下の3種です。

ヤケヤスデ(Oxidus gracilis)

体長2cm程度です。
体色は個体によって様々で、暗褐色が多いですが、黄褐色や緑褐色の場合もあります。

キシャヤスデ(Parafontaria laminata armigera)

体長3〜4cmのやや大型のヤスデです。
体色は比較的明るく、淡い褐色をしてることが多いです。

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ヤンバルトサカヤスデ(Chamberlinius hualinensis)

体長3〜4cmのやや大型のヤスデです。
体色は黄褐色から赤褐色で、背中には黒い紋が入ります。

 

この記事では、この3種について紹介します。

動きや食性は、3種とも大きな違いはありません。
一般的なヤスデ同様、地面を這うように緩やかに動きます。
基本的に移動速度が遅く、素早い動きをすることが多いムカデとは異なる特徴です。

食性は、主に腐食性で、腐った植物や動物の死骸を食べています。
昆虫や小動物などを積極的に捕食することはありません。

なお、ヤスデは、季節や天候などの条件によっては、大量発生する場合があります。
キシャヤスデは「線路に大量発生して汽車に危険を与えること」が名前の根拠です。

 

遭遇する地域や環境

ヤスデは、比較的広い環境で生息しています。
生息環境は種によって異なりますが、湿った環境や腐植土の中で生活することが多いのは共通しています。
そのため、そのような環境がある地域で見かけることが多いです。

3種の生息地域や生息環境は、以下のとおりです。

ヤケヤスデ

生息地域

日本全国で見られますが、特に本州、四国、九州の低地や中山間地に多く生息しています。

生息環境

ヤケヤスデは、湿った環境を好み、庭や農地、森林、腐植土の中などで生活しています。家の近くの水回りやコンクリートの隙間などでも見られることがあります。

キシャヤスデ

生息地域

主に本州、四国、九州の山地や中山間地に分布しています。

生息環境

キシャヤスデは、森林や山地の落ち葉や腐植土の中を好むため、山林や森林の湿った場所で見られることが多いです。

ヤンバルトサカヤスデ

生息地域

主な生息地域は台湾ですが、沖縄県にある本島、石垣島、西表島などに生息しています。しかし、近年、本土部への侵入が進んでおり、鹿児島県や、静岡県、埼玉県、神奈川県などで確認されています。

生息環境

原生林や二次林などの森林環境を好み、湿った場所や腐植土、倒木の下などで生活しています。

 

遭遇する時期や時間帯

ヤスデは一般的に夜行性で、夜間に活発に活動します。
昼間の時間は、暗く湿った場所で休んでいることが多いです。
ヤケヤスデ、キシャヤスデ、ヤンバルトサカヤスデの3種についても同様です。

どの種も、春から秋の暖かい時期に活発に活動します。
冬季には基本的に冬眠しますが、温かい地域や室内であれば、年間を通して活動します。

ただし、沖縄県に生息するヤンバルトサカヤスデの場合、冬季も変わらず活動していることが報告されています。

 

ヤスデの危険性

ヤスデの危険性は「体液にふれること」です。

基本的にヤスデは危険な生物ではありません。
おとなしい性格で、自分から攻撃してくることはありません。
「鋭い牙で噛みつき、危険な毒を注入される」といったことも起こりません。
ヤケヤスデ、キシャヤスデ、ヤンバルトサカヤスデの3種についても同様です。

ヤスデを素手で触っても、丸まったり逃げ出すことが多く、噛みつかれることは基本的にありません。
しかし、身を守るため刺激臭のある体液を分泌することがあります。

この体液に弱い毒性が含まれています。
素手で触れた場合には、例えば、かゆみ、皮膚の赤みや腫れなどが起こることがあります。

皮膚の場合は、このような軽い症状のみの場合が多いですが、目に入った場合は赤く腫れたり、痛くなることがあるようです。

熱海市公式ウェブサイト
ヤスデについて 熱海市公式ウェブサイト

 

危険にさらされたときの対処法

ヤスデに直接触れた場合には、痒みや、腫れなどが起こる可能性があります。
目に入った場合は、目が腫れたり痛みを感じる場合があります。

そのため、体液に触れた可能性がある場合は「水と石鹸でしっかりと洗浄」しましょう。

通常、ヤスデの体液による症状は軽度であり、適切な対処をすれば問題ありません。
しかし、痛みやかゆみがひどい場合、症状が悪化する場合、長引く場合には、速やかに病院で診察してもらうのが望ましいです。

なお、噛みつかれて毒を注入されることはないので、毒を吸い出したり、血清を探すなどといった毒を持つ虫に刺されたときのような対処は必要ありません。

 

危険を防ぐための対策

ヤスデの危険を防ぐための最も効果的な対策は「素手で触らないこと」です。

上で説明したとおり、ヤスデの危険性は低いです。
素手で触っても、噛み付いたり、引っかかれたりといった攻撃をされることはありません。

そのため、近くにいたからと言って神経質になる必要はありません。
しかし、身に危険を感じると、防御反応のため弱い毒性のある体液を分泌します。

ヤスデは、捕まえるとダンゴムシみたいに丸くなる場合があり、特に小さいこどもの場合、捕まえて遊んだりする可能性があります。
その手で、目をこすったりすると、痛みや腫れが起こる可能性があります。

湿った葉や石の下など、ヤスデが好む場所で子どもを遊ばせる場合には、注意深く観察し、遊び終わったらしっかりと手を洗うようにするのが望ましいです。

 

まとめ

本記事では、ヤスデの危険性や、危険を防ぐための対策などをまとめました。
説明した内容をまとめると以下の通りです。

– ムカデよりも更に脚が多い生物
– 動きはゆったりしていて、攻撃性は低い
– 噛み付いて危険な毒を注入されることはない
– 防御反応として、刺激臭がする体液を分泌する特徴がある
– この体液に触れると痒みや腫れがが起こる場合がある

ヤスデは、体が丸っこく、動きもゆったりとしており、長いダンゴムシのような印象がある生物です。
身を守るため分泌する体液に弱い毒性がありますが、危険な症状が起こる可能性は低いです。
ただし、その手で目をこすったりすると、目が腫れる場合があるので、ヤスデに触れた部分はしっかりと洗浄するのが望ましいです。

万が一、ヤスデに触れた場合の対処法は「水で洗浄すること」です。

 

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この記事を書いた人

【プロフェッショナル】(生物・環境)
生物系大学院卒業後、自然環境系の建設コンサルタントに従事。
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