VR・メタバースの危険性は?【医師執筆】

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目次

VRの人体や健康への影響を医学的根拠に基づいて解説

VR(仮想現実)技術とメタバースは、近年のテクノロジーの発展によって、私たちの日常生活に浸透しようとしています。

しかし、これらの技術が人体や健康にどんな影響があるか知っていますか?実は、VRの危険性に関して数多くの論文が執筆されており、健康への影響も大きいのではないかと言われているのです。

本記事では、実際に検証されている医学論文を引用しながら、VRデバイスやメタバースの危険性について、わかりやすく解説していきます。

 

この記事を執筆した専門家

sougouishi【プロフェッショナル】

医師。プライマリ・ケア認定医、外科専門医、病院総合医療認定医。
現在、内科・外科・皮膚科医として勤務する医学分野の専門家。

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VR・メタバースとは何か?

いまや私たちの生活に浸透しつつあるVR技術やメタバース技術ですが、まだまだ多くの方は日常的には使用しません。

そこで、VR・メタバースとはそれぞれ何か、再確認していきましょう。

VR(Virtual Reality、仮想現実)とは、コンピューターグラフィックスや映像技術を利用して、現実世界とは別の仮想的な環境を作り出す技術のこと。

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ユーザーは、VRゴーグルやヘッドセットを装着し、その仮想空間に没入することができます。VRは、ゲームやエンターテインメント、教育、訓練、医療、建築など、さまざまな分野で利用されています。

メタバース(Metaverse)は、数あるVR技術の中でもインターネット上に存在する仮想世界の総称のこと。メタバースでは、ユーザーがアバターを通じて、他のユーザーや仮想オブジェクトとインタラクションできます。

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ソーシャルネットワーキング、ゲーム、仮想イベント、ビジネス活動、教育など、さまざまな活動がメタバース内で行われています。近年、メタバースはデジタル経済やコミュニケーションの新たなフロンティアとして注目されています。

ある意味現代のSNSは一種の仮想空間ですが、メタバースの世界では視覚も含めてよりリアルに没入できる点で大きく異なります。

GAFAMはじめ多くの大企業がメタバースの世界に注目を集めており、今後私たちの日常生活に活用されるのは時間の問題です。

Meta | ソーシャルメタバース企業
Meta | ソーシャルメタバース企業 Metaは、テクノロジーと没入感あふれるエクスペリエンスを通じて、人々、コミュニティ、ビジネスがつながってもっと多くのことを成し遂げられるよう支援します。

しかし、その裏で数多くのVRやメタバースによる健康の影響が指摘されてきているのです。

 

VRゴーグルによる視力への影響

まず、VRの危険性について、デバイスである「VRゴーグル」による影響が言われています。

例えば、VRゴーグルを長時間使用することで、視力に悪影響を及ぼす可能性があります。VRゴーグルは、目に近い距離で画面を見るため、長時間使用していると遠くへのピント調整が難しくなることがあるのです。

また、乾燥や疲労により、ドライアイや目のかすみなどの症状が現れることもあります。こうした目の症状は「コンピュータービジョンシンドローム」といって、他の症状として眼精疲労、眼精疲労、刺激、発赤、かすみ目、複視が挙げられています。

(参照:Blehm, C., Vishnu, S., Khattak, A., Mitra, S., & Yee, R. W. (2005). Computer vision syndrome: a review. Optometry and Vision Science, 82(5), 332-338.

 

VR酔いのリスクも

さらに、健康の影響として言われているのは「VR酔い」です。

VR酔いとは、VRデバイスを使用する際に現れる、乗り物酔いに似た症状のこと。これは、視覚的な情報と身体の動きが一致しないことによって、めまいや吐き気を感じることが原因です。

長時間のVR使用や、乗り物酔いに弱い人は、特に注意が必要です。実は、このゲームによる乗り物酔いの状況はVRによるものだけではありません。家庭用のゲーム機でも長時間の使用で同様の症状が出ることが報告されています。

実際、ある研究では、「最大 50 分間ゲームをプレイして大人の 67% と子供の 56% の方が乗り物酔いの症状として現れる」としていますね。VR技術ではより映像がリアルになることで、乗り物酔いのリスクが加速するのではないかと言われているのです。

(参照:Chang, C. H., Pan, W. W., Tseng, LY., & Stoffregen, T. A. Postural activity and motion sickness during video game play in children and adults. Exp Brain Res
. 2012 Mar;217(2):299-309. doi: 10.1007/s00221-011-2993-4. Epub 2012 Jan 1.

 

メタバースの危険性

では、メタバースの世界にはどんな危険性があるのでしょうか。もっとも指摘されている危険性が「依存症」です。

前述の通り、メタバースは、仮想世界でのインタラクションやコミュニケーションが可能になる技術です。しかし、メタバースに依存することで、現実世界との境界が曖昧になり、精神的な問題が引き起こされる可能性があります。

例えば、「Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking」誌に掲載された研究では、インターネットによる依存症の関連性が報告されており、インターネットの長期使用によりいわゆる「中毒」のような症状になることが言われています。

メタバースでは、そんなインターネットと現実の世界をもっと曖昧にしますので、メタバースの世界への依存がより密接になるのではないかと考えられているのです。

(参照:Kuss, D. J., Dunn, T. J., Wölfling, K., Müller, K. W., Hędzelek, M., & Marcinkowski, J. (2017). Excessive Internet use and psychopathology: the role of coping. Clinical Neuropsychiatry, 14(1), 73-81.

 

VRデバイスの年齢制限と理由

こうした現状を踏まえて多くのVRデバイスには、一定の年齢制限が設けられています。これは、子どもたちの視力や脳への影響が懸念されるためです。子どもたちの視力は発達途中であり、VRゴーグルの長時間使用によって、視力障害が引き起こされる可能性があるからです。

例えば、「エンターテインメントXR協会」による「VRコンテンツのご利用年齢に関するガイドライン」 では

13 歳未満のお子様に、両眼立体視機器を利用した施設向けVRコンテンツを利用させる場合、下記の注意事項について、保護者に同意を得た後、保護者の責任でご利用ください。

【注意事項】
• 7 歳未満のお子様にはご利用させないでください。
• VRコンテンツの内容について、保護者がふさわしくないと判断されるものはご利用させないでください。
• VRコンテンツのご利用時間について、連続 20 分のご利用に対し、10 分から 15 分程度の休憩をとってください。
• 斜視や複視、その他、視力の異常や眼科的疾患のあるお子様や、眼科に通われているお子様は、専門医に相談の上、ご利用ください。
• ご利用後にお子様の視力について異常が見られた場合、早急に専門医を受診してください。

と明記されています。

また、未発達の子供にVR機器を使用させることは、脳の発達にも悪影響を与える可能性もあるので、十分注意する必要があるのでしょう。

 

VR技術・メタバースの健康への影響を最小限にする対策は?

とはいえ、今後の生活においてVR技術やメタバース技術を使用しないわけにはいきません。

私たちは健康への影響を最小限にしながら、どのようにVR技術やメタバースと共存していけばよいのでしょうか。具体的な対策として、以下のような方法が挙げられます。

  • 使用時間に制限を設ける: 長時間のVRデバイス使用が視力や精神面での健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、適度な休憩を取り入れることが重要です。
  • 適切な環境で使用する: VRデバイスやメタバースを使用する際は、明るい環境で適切な姿勢で行うと、健康への影響を軽減しやすくなります。
  • 家族や友人とのコミュニケーションを大切にする: 現実世界との人間関係を大切にし、メタバースへの過度な依存を防ぐために、家族や友人とのコミュニケーションを大切にしましょう。
  • 専門家の意見を参考にする: VRデバイスやメタバースの使用に関して不安がある場合は、医師や専門家の意見を参考にして、適切な使用方法や注意点を学んでいくとよいでしょう。

 

おわりに

VR技術とメタバースは、私たちの生活を豊かにする一方で、人体や健康に悪影響を及ぼす可能性があります。医学論文を参照しながら、危険性を理解し、適切な対策と予防策を講じることが重要です。

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この記事を書いた人

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医師。プライマリ・ケア認定医、外科専門医、病院総合医療認定医。
現在、内科・外科・皮膚科医として勤務する医学分野の専門家。
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