アリグモ・ヤガタアリグモの危険性【専門家執筆】

目次

アリグモ・ヤガタアリグモは毒のある危ない虫なのか

アリグモやヤガタアリグモは、アリのような見た目をしているクモです。

ハエトリグモという室内でもみかけることがあるクモの仲間で、攻撃性は無く、毒も持っていません。
このような危険性がない生物ですが、なぜか、危険な生物と認識されることがあります。

そこでこの記事では、アリグモやヤガタアリグモの見た目の特徴や危険性の有無などを紹介します。

 

tk_tanaka【プロフェッショナル】

生物系大学院卒業後、自然環境系の建設コンサルタントに従事。
地理情報、自然環境や生物の生態等を専門とするほか、環境アセスメント図書作成の経験も有する生物環境分野の専門家。

 

アリグモの基本情報

アリグモはクモ(蜘蛛)の一種で、ハエトリグモという室内で見かけることもあるクモと同じ仲間です。
アリグモと近い種でヤガタアリグモという種もいます。
これはアリグモよりもやや体が細いですが、とても似た見た目です。

名前の通り、アリと見た目がそっくりなクモです。
大きさもアリと同じく5~7mm程度です。

アリに見えるように特殊な進化をしています。

あわせて読みたい

 

アリとクモの見た目で最も大きな違いは足の数です。
昆虫であるアリは足が6本に対して、クモは足が8本です。

また、触角の有無も大きな違いです。
アリには触角がありますが、クモにはありません。
アリは頭に長いヒゲのような触角がついています。
触角は、周辺の様子を伺うセンサーのようなもので、アリが歩く時は常にそれをフラフラと動かしています。

 

このように見た目に大きな違いがあるアリとクモですが、アリグモは一番前の2本の脚を持ち上げて、触角のようにフラフラと動かすことで、6本脚で触角を持つアリのような見た目を再現しています。

さらに、普段の動きもアリそっくりです。
動くスピードやちょこちょこ方向を変えながら進んでいく感じはほとんどアリと同じで、初めて見たらクモとは思わないでしょう。

これらはヤガタアリグモにおいても同じです。

なお、このようにほとんどアリにしか見えないアリグモやヤガタアリグモですが、実態はクモなので、いざというときは、ジャンプしたり、糸を出したりすることができます。

【足立区生物園】
【足立区生物園】アリグモ 昆虫から魚、両生爬虫類、哺乳類まで生きものいっぱいの動物園!! 対馬の絶滅危惧種、ツシマウラボシシジミの保全活動も!!

 

遭遇する地域や環境

アリグモとヤガタアリグモはどちらも日本の広い範囲で見ることができます。
アリグモは日本全国、ヤガタアリグモは北海道を除く日本全国に生息しています。

生息環境も広く、珍しい種ではありません。
アリグモは、主に林の近くの葉の上などで見られます。
ヤガタアリグモは、より多様な環境に生息していて、草地や建物の周辺など人工的な環境等でも広く見られます。

アリに似せているクモであるため、アリがいるような環境に生息していると考えるとわかりやすいかもしれません。

 

遭遇する時期や時間帯

アリと同じように日中に活動しており、比較的広い環境で生息しているため、遭遇することは難しくありません。
しかし、ぱっと見はアリとほとんど同じであるため、アリグモであることを見抜くのは難しいかもしれません。

 

アリグモの危険性

アリグモとヤガタアリグモには、危険性はありません。

繰り返しになりますが、ハエトリグモという家の中に普通にいることもあるクモの仲間です。
攻撃的なクモではなく、自分から人間に噛みついてくるような習性を持っていませんので、見かけたとしても安心して下さい。

噛まれる恐れはほとんどありませんが、万が一、噛まれたとしても被害を受けることは基本的にありません。
獲物を捕まえて食べる程度のあごの力はありますが、人にケガを負わせるほどのものではありません。
毒も持っていませんので、噛まれても腫れたり激痛を感じたりすることはありません。

相模原市立博物館の職員ブログ
アリグモの受難 アリグモの受難

 

アリグモは危険生物と混同されがち

このようにアリグモやヤガタアリグモには危険性はありませんが、危険と感じている人が多いようです。
“アリグモ 危険性”といったキーワードで検索されている事例がよくあります。

このように危険性を感じる理由は、アリグモやヤガタアリグモがヒアリというアリに似ているためです。

あわせて読みたい
ヒアリについて/豊橋市 愛知県豊橋市の公式ホームページです。豊橋市の紹介、お知らせと市への意見、くらし・環境、イベント・講座・市民活動、健康・福祉・教育、産業・事業、行政情報など紹介し...

 

ヒアリとは、強い毒を持つアリで、法律によって特定外来生物という”危害や被害を及ぼす生物”に指定されています。
日本には生息していませんが、海外からの搬入物などと一緒に運ばれてきた個体が発見されることがあります。
近年、日本各地の港やそこから運び出した荷物の中からヒアリが発見されてニュースになることが多いです。

このように、「日本にはいない危険なアリが増えている」というニュースを見たことがある人が、見慣れないアリのような生き物(アリグモやヤガタアリグモ)に出会った場合に危険なアリなのではないか、と感じる場合が多いのかもしれません。

しかし、上で説明した通り、アリグモやヤガタアリグモに危険性はありません。
むしろ害虫を食べてくれるため、人の役に立つ生物として認識されています。
なので、特に不具合が無いのであれば、見つけたとしてもそのまま放っておきましょう

 

まとめ

本記事では、アリグモやヤガタアリグモの生態や危険性などをまとめました。
説明した内容をまとめると以下の通りです。

– アリにとてもよく似た見た目しているクモ
– 攻撃的な種ではないため、嚙まれることはほとんどない
– 毒を持っていないため噛まれても危険性は無い
– ヒアリという強い毒を持つアリと混同されがち

アリグモやヤガタアリグモは、アリにとてもよく似た見た目をした面白いクモです。
強い毒を持つヒアリと混同される場合がありますが、危険性が無い生物です。
そのため、アリグモに噛まれた場合の対処法は特にありません。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

【プロフェッショナル】(生物・環境)
生物系大学院卒業後、自然環境系の建設コンサルタントに従事。
地理情報、自然環境や生物の生態等を専門とするほか、環境アセスメント図書作成の経験も有する生物環境分野の専門家。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次