ハサミムシによる害と毒性について【専門家執筆】

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目次

ハサミムシに害や毒性はある?ハサミムシは飛ぶ?ハサミムシに似た虫の危険性についても解説

ハサミムシは、細長い体と大きなハサミを持つ特徴的な見た目の昆虫です。
日本国内には、40種程度の種が生息しています。

多様な環境でハサミムシの仲間を見ることができますが、攻撃性が低く、危険な毒を持っていないため、危険性はありません。
ハサミの力も人間に怪我を負わせる程ではありません。
しかし、見た目が似ている昆虫に、毒性のある体液を分泌する種がいるため注意が必要です。

そこでこの記事では、ハサミムシの見た目の特徴や生態、危険性の有無などを紹介します。

 

この記事を執筆した専門家

tk_tanaka【プロフェッショナル】

生物系大学院卒業後、自然環境系の建設コンサルタントに従事。
地理情報、自然環境や生物の生態等を専門とするほか、環境アセスメント図書作成の経験も有する生物環境分野の専門家。

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ハサミムシの基本情報

ハサミムシは、比較的小さく細長い体を持つ昆虫類です。
日本国内には40種程度が確認されていて、数mm程度〜数cmまで大きさは様々です。

外見で一番大きな特徴は尾部に「大きなハサミ」を持つことです。

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クワガタムシの仲間のように感じられる場合もあるかもしれません。
しかし、クワガタムシのハサミは大顎で、餌を食べるための器官が発達したのに対し、ハサミムシのハサミは尾の一部が発達したものです。
そのため、大きなハサミが付いている位置が、クワガタムシは前ですが、ハサミムシは後ろと全く異なります。
ただし、ハサミの使用用途は似ていて、主に攻撃や身を守るために使用されています。

ハサミ以外の見た目の特徴としては、羽がほとんど無いように見える点です。
実際に羽を持たない種もいますが、持っていても非常に小さく折りたたまれており、羽の存在に気づかないような外見をしている種が多いです。

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実は、ハサミムシの仲間は、羽を昆虫最小サイズに折り畳むことができる昆虫です。
羽を開いた時に1/15ほどのサイズに折りたたまれているそうです。
外見からは羽が無く地面を歩き回ることしかできない昆虫に見えても、器用に小さく折りたたまれた羽を広げて、飛行することができる種が多いです。

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なお、この仕組みは研究対象にもなっていて、その成果は人工衛星用の太陽電池や、傘や扇子など、折りたたみが必要な各分野で応用されることが期待されています。

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ハサミムシの仲間の体色は、茶色や黒色っぽい色をしていることが多いです。
ハサミを持っている以外は外見的な雰囲気がゴキブリに似ているように感じられるかもしれません。
また、動きの速さは種によって異なりますが、比較的素早く動くことができます。
これまでにハサミムシを見たことがある方にとっては、小さく黒い昆虫が、動き回っているようなイメージを持っている方が多いと思います。

主に肉食性で、ダンゴムシなどの小さな昆虫類やチョウ類の幼虫などをハサミを押さえつけて捕食することが多いです。

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遭遇する地域や環境

ハサミムシの仲間は、日本国内に広く生息しており、北海道から沖縄までさまざまな地域で確認することができます。

生息環境も広く、森林、草地、山地、沼地、水辺など、多様な環境で生息しています。
また、家屋周辺や庭園などの人間の生活環境にも適応して生活していることがあります。

このようにハサミムシの仲間は、さまざまな環境に適応していますが、一般的に薄暗くて湿気が多い場所を好み、物陰や石や落ち葉の下、土中などに潜んでいることが多いです。
子供の頃に公園などで遊んでいた時に、「石を持ち上げたら、ハサミムシが出てきた」という経験を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

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遭遇する時期や時間帯

ハサミムシの仲間は、一般的に夜行性で、夜間に活発に活動します。
昼間の時間は、暗く湿った場所で休んでいることが多いです。

ハサミムシは春から秋にかけてが主な活動時期となります。
一般的に冬の終わりから春頃に産卵を行います。
その後、付加した幼虫が成長し、夏から秋にかけて成虫になります。

そのため、春や夏には幼虫や成虫が共存していることが一般的です。
なお、幼虫はサイズが小さく、ハサミが成虫ほど発達していなかったり、色が薄めな場合があります。

冬季には基本的に冬眠しますが、冬季には活動量が低下し、種や個体によっては生存できない場合があるようです。
また、温かい地域や室内であれば、年間を通して活動します。

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ハサミムシの危険性

ハサミムシの仲間には、危険性はありません。

肉食性で、獲物を捕まえるために使用できるほどの力があり大きなハサミを持っています。
挟まれると怪我をしそうで心配に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、人間にとっては危害を加えるほどの力はありません。
そのため、ハサミで挟まれても痛みを感じない程度で、怪我をすることは考えづらいです。
そもそも攻撃的な性格では無いため、ハサミで人間を挟んでくる可能性はほとんど無いでしょう。

また、毒も持っていません。
なので、ハサミで挟まれたり、刺されたとしても腫れたり激痛を感じたりすることもありません。

 

ハサミムシによる人間生活への影響

上で説明したとおり、ハサミムシに危険性はありません。
普段は物陰に潜んでおり、直接目に触れることも少ない昆虫なので、人間の生活への影響は小さいです。
小さな昆虫を食べてくれるため、人間の役に立つ益虫として認識される場合があります。
また、逆に室内に入り込んで不快感を与える不快害虫として扱われる場合もあります。

どちらにしても、人間の生活にとって大きな影響はありません。

 

ハサミムシに似た虫

最後に、ハサミムシと混同される可能性がある生物を紹介します。

「ハネカクシ」という昆虫は、ハサミムシと同じく、細長い体と小さく折りたたまれた羽を持っています。
ハサミはもっていませんが、外見の雰囲気はとても良く似ています。
ハネカクシの仲間の多くは、人間の生活に影響を与えることは少ない昆虫です。

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しかし、「アオバアリガタハネカクシ」というハネカクシの一種は、毒性のある体液を持っています。
この昆虫を触ったり、払いのけた時に潰してしまった場合などに、体液が皮膚につく場合があります。
体液が皮膚につくと、ミミズ腫れや火傷のような皮膚の炎症を引き起こすので注意が必要です。

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水田や畑などがある環境に生息している他、灯火に集まってくる習性があります。
もし、追い払う時に潰してしまい、体液が目に入ってしまうと失明の恐れもあります。

1cmに満たないサイズで、オレンジと黒が交互に並ぶ派手で特長的な体色をしています。
もし、そのような昆虫を見た時には触れて潰してしまうことが無いように注意しましょう。

体液に触れた可能性がある場合は「水でしっかりと洗浄」しましょう。
もし、水ぶくれのような症状が出たら、火傷と同じような処置を行います。

 

まとめ

本記事では、ハサミムシの生態や危険性などをまとめました。
まとめると以下のような内容を説明いたしました。
– 日中は暗いところに潜んでいることが多い
– 大きなハサミを持っているが積極的に攻撃してくることは無い
– ハサミで挟まれても怪我をする可能性はほとんど無い
– 毒を持っていないため刺されることも無い
– アオバアリガタハネカクシという毒がある生物と混同される場合がある

ハサミムシは、多くの種類が日本国内に広く生息しています。
大きなハサミを持っていますが、力は弱く、毒も無いため、危害を加えられる可能性は低いです。

そのため、ハサミムシに噛まれた場合の対処法は特にありません。

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この記事を書いた人

【プロフェッショナル】(生物・環境)
生物系大学院卒業後、自然環境系の建設コンサルタントに従事。
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