エミューの危険性について【専門家執筆】

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目次

エミューに危険性はある?危険にさらされたときの対処法とは

エミューは、2メートルほどの高さになることもある大型の鳥類です。
おとなしい動物で、動物園などで触れあうことができる場合もあります。

しかし、走る速度が非常に早く、突進されると大きな衝撃を受ける可能性があります。
また、警戒心が強く、小型の動物を蹴るといった攻撃性も持っています。
人間であっても、エミューを驚かせたりした場合には、攻撃される危険性があります。

そこでこの記事では、エミューの危険性や、危険にあった時の対処法、危険を防ぐための対策などを紹介します。

 

この記事を執筆した専門家

tk_tanaka【プロフェッショナル】

生物系大学院卒業後、自然環境系の建設コンサルタントに従事。
地理情報、自然環境や生物の生態等を専門とするほか、環境アセスメント図書作成の経験も有する生物環境分野の専門家。

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エミューの基本情報

エミューは大型の鳥類です。
鳥類ですが、ダチョウのような「飛べない鳥」で、飛行能力は完全に消失しています。
体高は1.6~2.0m程度もあり、ダチョウに次いで身長の高い鳥類とされています。

見た目もダチョウにとても似ていて、長い首と小さな頭、細く長い脚が特徴です。
ダチョウよりも、羽毛が多いため、体は少しふっくらしている印象があります。

また、走行能力がとても発達していて、これもダチョウと似ています。
時速50~60km程度で走行することができるようです。
なお、鳥類で最も早く走ることができるダチョウは、時速70kmも出すことができるようです。
エミューは、それには及びませんが鳥類の走行能力としてはトップクラスに早く、動物全体としても非常に速い部類に入ります。
時速50~60kmとは、ドッグレースにも出場する俊足な狩猟犬と同等の速度です。

雑食性で、昆虫や果物、植物の種、草などいろいろな物を食べています。
しかし、他の動物を襲って捕食する習性はありません。

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遭遇する地域や環境

エミューは、オーストラリアのみに生息しています。

主な生息環境は草地や砂地など開けた場所で、砂漠化したような土地でも生息できるため、オーストラリア大陸全域に分布しています。

オーストラリアでは「野生動物との衝突注意」を伝える道路標識にエミューが使われている場合があるなど、郊外の道路を車を運転していると遭遇する可能性があるほど、なじみのある動物のようです。

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このように、オーストラリアが本来の生息環境ですが、日本国内の環境でも生息できます。
もちろん、日本国内には野性の生息個体はいませんが、飼育しやすい性質のため、動物園やそれ以外にも研究施設や民間企業などで広く飼育されています。
ごくたまに、そこから逃げ出したエミューが、道路を走行しているというニュースが報じられることがあります。

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遭遇する時期や時間帯

エミューは昼行性の動物です。
そのため、主な活動時間は、日中の明るい時間帯となっています。
夜間に活発に活動することはありません。

活動する時期は、限定されておらず1年中活動しています。
冬場であっても冬眠することはありません。

また、オスが抱卵するという習性があります。
その間は、2か月程度の間、餌を食べることもせずに抱卵し続けるそうです。
繁殖期は秋~春なので、場合によっては、冬眠のように冬の間ほとんど動かない個体も出てくるかもしれません。
なお、繁殖期の時期は、オーストラリアでは5月頃から10月頃に当たります。
日本の場合、9月頃~4月頃です。

このように、エミューが野生環境下で生息している地域では、1年中、主に昼間の時間帯に遭遇する可能性があります。

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エミューの危険性

エミューの危険性は「突進されること」や「蹴られること」です。

基本的に気性は落ち着いており、おとなしい動物です。
ペットにもできるほどの温厚さです。
しかし、大きな音や甲高い音に反応して、急に走り回ることがあります。

繰り返しになりますが、エミューは体が非常に大きい鳥類です。
1.6~2.0m程度の高さがあり、体重も50kg程度あります。
しかも、そのような大きな体で時速50kmというスピードで走ることができます。
もし、突進され、ぶつかられた場合、相当な衝撃を受けることは避けられません。

おとなしい動物と説明しましたが、犬などの小型の動物に対しては、警戒心が強く、相手を蹴るといった攻撃的な対応をする傾向があるようです。
鳥類の脚は大きく動く印象はありませんが、エミューの場合、前方90度の範囲であれば、容易に蹴ることができるようです。
そのため、ペットを一緒に連れている時などには、攻撃を受けるリスクが上がることも考えられます。

なお、動物一般の特徴として、繁殖期には気性が荒くなることが多いです。
エミューも繁殖期には、警戒心が高まる傾向があるようです。
秋~春が、エミューの繁殖期です。
この時期には、特に、危険な状況に注意する必要があります。

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危険にさらされたときの対処法

上で説明した通り、エミューの危険性は突進されたり蹴られたりすることです。

おとなしく、人にも慣れやすいため、基本的に危険性は高くありません。
しかし、体が大きいため、実際にそのような被害を受けた場合には、大けがをする可能性があります。

ぶつかられた衝撃で転倒してけがをすることや、頭を強く打ったり骨折するといったことも十分考えられます。

もし、そのような被害を受けた場合には、通常のケガと同様の対応を行います。
切り傷や擦り傷で済んだ場合には、きれいな水で洗浄し、可能であれば消毒しましょう。

打撲した場所に強い痛みがあり骨折などのケガが考えられる場合には、急いで病院に向かいましょう。

なお、エミューには毒がなく、重大な病気になる病原菌を持っている可能性も低いです。

 

危険を防ぐための対策

エミューの危険を防ぐための最も効果的な対策は「執拗に近づいたり、驚かせたりしないこと」です。

繰り返しになりますが、エミューは、おとなしい性格で、自ら攻撃してくることはありません。
特に、人に慣れている環境では、触れ合うことも問題無くできます。
慣れていない個体であっても、人間が近づいたら、襲ってくるよりも逃げ出す可能性が高いです。

そのため、エミューの方から近づいてきて、攻撃されケガをする危険性はとても低いです。

しかし、驚いたり、威嚇されたりした場合には、危険を感じ攻撃してくることもあるようです。
そのため、不意に人間と遭遇してしまった場合や、人間が攻撃してくるように感じてしまう状況では、エミューも危険を感じ、攻撃してくるかもしれません。
その場合、上で説明した通り、大型の体で突進してきたり、蹴りを加えてきたりすることがあります。
もし、野生環境下で遭遇した場合には、遠くから観察しましょう。

また、エミューと直接触れ合うことができる施設もあります。
そのような場所では、エミューも人に慣れていますし、係員が適切な触れ合い方を説明してくれるため、危険な状況に陥る可能性はより低いです。
しかし、エミューが驚いたり、危険を感じた場合に、攻撃してくる可能性がある事には変わりありません。
そのような場所でも、無謀な行動をすることなく、係員の説明に従い、落ち着いてエミューと触れ合いましょう。

 

まとめ

本記事では、エミューの生態や危険性などをまとめました。
まとめると以下のような内容を説明いたしました。

– 大型の鳥類で、ダチョウに次ぐ体高を持つ
– 走る速度も速く、突進されると非常に危険
– ただし、人間に対しては温厚な性格で、攻撃してくる可能性は低い

最大2メートルほどの高さになる大型の鳥類です。
走行能力が非常に高く、時速50キロ以上の速度で走ることがあります。
もし、その速度でぶつかられると大けがをする可能性があります。
しかし、攻撃的な動物ではないため、人間の方から攻撃したり執拗に触れたりしなければ、そのような可能性は小さいでしょう。

万が一、エミューに攻撃された場合の対処法は「すぐに病院で治療すること」です。

 

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