アシュワガンダの危険性について【薬剤師執筆】

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目次

アシュワガンダの安全性と危険性とは?使っても大丈夫?

日本に伝統医学として漢方があるように、インドにもアーユルヴェーダと呼ばれる伝統医学があります。漢方薬と同様に、自然の力で病気と向き合うことができるため、安心・安全なイメージを持つ人が多く、日本国内でも注目されてきています。

その中で「関節炎によい」「不眠によい」「慢性肝炎によい」などと言われているアシュワガンダが近年注目されてきております。この記事では、アシュワガンダは本当に安全なのか、効果は本当にあるのかということについて解説していきたいと思います。

 

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アーユルヴェーダについて

インド大陸の伝統的医学であります。ユナニ医学(ギリシャ・アラビア医学)、中国医学と共に世界三大伝統医学の一つであり、相互に影響し合って発展した歴史があります。アーユルヴェーダは、心、体、行動や環境も含めた全体としての調和が、健康にとって重要と考えます。

このような心身のバランス・調和を重視する考え方を全体観の医学と呼ばれ、古代ギリシアの医師ヒポクラテスに始まり、四体液の調和を重視するギリシャ・アラビア医学(ユナニ医学)や、陰陽・五行のバランスを重視する中国医学、漢方など、伝統医学の多くが全体観の医学です。

これは症状のみをターゲットにする西洋医学とは大きく考え方が異なります。病気になってからそれを治すことより、病気になりにくい心身を作ることを重んじており、病気を予防して健康を維持する予防医学の考え方に立っています。心身のより良いバランスを保つことで、健康が維持されると考えです。

治療には大きく2つがあり、1つは食事、薬、調気法や行動の改善でドーシャのバランスを整える緩和療法(鎮静療法)、もう1つは増大・増悪したドーシャ(体液)やアーマ(未消化物)、マラ(老廃物)などの病因要素を排泄する減弱療法(排出療法, 浄化療法)であります。

減弱療法では、パンチャカルマ(5つの代表的な治療法、2種類の浣腸・油剤・下剤・吐剤)と呼ばれる治療法がよく知られ、根源的・霊的な面の治療として、ジョーティシャ(インド占星術)やマントラ(呪文)、宝石を使った治療もあります。

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アシュワガンダについて

アシュワガンダとは、インドやネパール、中東などに自生する常緑低木で、ナス科に属するハーブの一種です。高さは1~2mほどになり、緑や黄色の花を咲かせ、5cm~10cmほどの葉を一年中つけています。

学名をWithania somnifera Dunalといいます。学名の一部であるsomniferaは「睡眠性」という意味を持ち、睡眠薬としても利用されてきました。

また、アシュワガンダはサンスクリット(インドの古典語)で馬という意味を持ち、アシュワガンダを摂取すると馬のように力を得ることができるということからこの名前がついたとされています。また、高麗人参と同じような滋養強壮効果を持つことから、インドの薬用人参とも呼ばれています。アシュワガンダは古くから強壮・強精薬として用いられてきました。

アーユルヴェーダには「強壮薬」「強力な若返り薬」という意味を持つ「rasayana(ラサーヤナ)」という言葉がありますが、アシュワガンダはrasayanaの役目を果たす特殊なハーブとして古くから知られています。アシュワガンダは、最近日本でも注目され、ハーブやお茶として販売されるようになっています。

わかさの秘密
アシュワガンダ | 成分情報 | わかさの秘密 アシュワガンダ の成分情報を掲載しております。アシュワガンダ の働きや効果・効能などアシュワガンダ に関する情報を詳しくご紹介します。

 

アシュワガンダの主成分

アシュワガンダの成分は、アルカロイド (isopelletierine、anaferineなど) 、ステロイドラクトン (ウィタノライド類 (withanolides) 、withaferin類、sitoindoside類など) 、サポニン、鉄などを含むと報告されています。

注意が必要なのは、アシュワガンダは伝統医学で用いられるものですので、具体的にどの成分が体に良いというわけではなく、これらの成分が相加・相乗し、力を発揮するということが重要です。成分のどれか一つを摂取するのが大切なわけではなく、アシュワガンダとして摂取することが重要です。

https://www.tcichemicals.com/JP/ja/c/10839
JapanKnowledge
ラクトン|日本大百科全書・世界大百科事典|ジャパンナレッジ 環内にエステル基-COO-をもつ複素環式化合物の総称。環の大きさにより、4員環のβ(ベータ)-ラクトン、5員環のγ(ガンマ)-ラクトン、6員環のδ(デルタ)-ラクトン、……に分...

 

サプリメントや伝統医学の効果について

一般的に「関節炎によい」「不眠によい」「慢性肝炎によい」などと言われていて、アシュワガンダのサプリメントやハーブの販売でもこれらの効果があるように宣伝されています。一方、人での有効性については情報の信頼性が高いとされる研究方法で検討した報告は見当たらないとされており、効果が明確に証明されている訳ではない部分に注意が必要です。

しかし、これはサプリメントや伝統医学においては一般的なことです。サプリメントは原則的に食品であるため、薬のように効果や効能を宣伝することができません。また、伝統医学では個人個人の症状に合わせて薬と使用するため、大きな臨床試験を実施して効果を示すということはできませんので、漢方薬でも科学的に有効性が証明されていないものは数多くあります。そのため、アシュワガンダの状況は一般的な状態です。

販売サイトでは、「〜〜と考えられています」や「〜〜と言われています」などの断定的ではない文言で書かれていることが多く、ホームページ等に記載されている文章をしっかりと読むことが大切です。この特徴も医薬品ではないサプリメントや伝統医学でよく行われている宣伝方法です。

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安全性は問題がなく、大丈夫なのか?

適切に短期間摂取することは安全性が示唆されていますが、長期間使用した際の安全性は情報が不十分であります。また、サプリメントとして高濃度で含まれている場合に関しては、安全性に関する情報はなく、注意が必要です。

アシュワガンダには堕胎作用があるため、妊婦や妊娠の可能性のある女性は摂取を避けるべきです。また、授乳中の女性においても、安全性に関する十分な情報がなく、授乳中は摂取を避けるべきと言えます。

また、免疫が活性化される可能性があるため、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、関節リウマチなど自己免疫性疾患に罹患している人は使用を避けるべきだと言えます。消化管が刺激される可能性があるため、消化性潰瘍に罹患している人も使用を避けた方が良いでしょう。

国内では、社交不安障害の既往がある20歳男性 (日本) が処方された抗不安薬等に加え、自己判断で多数の医薬品とともにインターネットで個人輸入したアシュワガンダの摂取を開始。摂取9ヶ月目からストレス軽減を目的に、アシュワガンダを記載されていた推奨用量の2~3倍に増量して1ヶ月程度継続摂取していたところ、黄疸、皮膚掻痒感を生じて医療機関を受診した。

肝機能障害のためアシュワガンダの摂取を中止したが肝障害が持続した報告もあり、注意が必要だと考えられます。

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法律について

草全体は医薬品として使用されるべき成分であるとされ、食品として利用することは認められていません。そのため、個人で輸入したアシュワガンダであっても法律に違反してしまう場合もあります。

また個人で輸入しているため、その使用は自己責任となり、医薬品による副作用は自己責任で対応しなくてはいけません。そのため、全草を用いたものの使用は避けた方が良いでしょう。

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まとめ

アシュワガンダは「関節炎によい」「不眠によい」「慢性肝炎によい」効果があると言われていますが、伝統医学は専門家がしっかりと症状を見極めて処方をすることで、初めてその効果を正しく得ることができます。西洋医学の考えに基づいて自己判断するべきではありません。

アシュワガンダは短期間摂取する場合には、比較的安全と考えられています。一方、アシュワガンダが関連した肝障害の報告があることや、サプリメントなどの形で濃縮した高濃度のものを摂取する場合には、安全性に関する情報が十分ではない状況もあります。使用にあたってはこれらの注意が必要です。

もし購入する場合は、こうしたリスクを考慮したうえで試されると良いでしょう。

 

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