オオコウモリに危険性はある?注意すべき点と危険にさらされた時の対処法とは
オオコウモリは、主に海外で遭遇する可能性がある大型のコウモリです。
サイズは大きいですが、日本の河川敷などで飛行している一般的なコウモリとは異なりフルーツや花を食べていて、小動物のようになじみのある顔つきをしています。
しかし、人間を重い病気に感染させるウイルスを保有している可能性があり、噛まれると大変危険です。
そこでこの記事では、オオコウモリの危険性や、危険にあった時の対処法、危険を防ぐための対策などを紹介します。
この記事を執筆した専門家
生物系大学院卒業後、自然環境系の建設コンサルタントに従事。
地理情報、自然環境や生物の生態等を専門とするほか、環境アセスメント図書作成の経験も有する生物環境分野の専門家。
あわせて読みたい
オオコウモリの基本情報
オオコウモリは、その名の通り大型のコウモリです。
日本国内の都市部でも見られることがある一般的なコウモリは体長数センチ程度の種が多いのに対し、オオコウモリは20センチ程度が多く、それ以上になる種も多いです。
羽を広げたサイズは、カラス位の大きさから2メートル近くなるような種もいます。
コウモリを実際に見かけたことが無い方も、どのような生き物かは何となく知っているのではないでしょうか?
「夜に集団で飛び回り、場合によっては血を吸ってくる」そのようなイメージを持っている方が多いと思います。
少し詳しい方は「超音波で情報を収集しながら飛行する」という特性も知っているかもしれません。
しかし、オオコウモリはこのようなコウモリの一般的なイメージとは違います。
一般的なコウモリは、超音波で情報のやり取りをするため目が小さく耳が大きい独特の顔つきをしています。
一方、オオコウモリは、オオコウモリは目で情報を得るため、耳が小さく目が大きいなじみのある小動物のような可愛らしい顔つきをしています。
一般的なコウモリに比べると、普通の哺乳類に近い雰囲気をしていて、英語では空飛ぶキツネ(flying fox)と言われることもあるそうです。
食性も異なっており、一般的なコウモリは、飛行しながら虫を食べる肉食性が多いのですが、オオコウモリは果実や花びらなどを食べる草食性です。
動物を襲う性質がないため攻撃的な習性はあまり見られず温厚な性格だといわれています。
そのため、ペットとして飼育される場合があるようです。
遭遇する地域や環境
オオコウモリは世界中の主に熱帯に生息しています。
そのため、東南アジアやアフリカ、オーストラリアなどで遭遇することが多いです。
日本でも生息していますが、小笠原諸島と沖縄に限定されています。
熱帯雨林などの森林が主な生息地ですが、山間地に開発されたリゾート施設やゴルフ場等で遭遇したり、都市部で発見されることもあります。
森林の中や樹木がある場所でしか活動しないわけではなく、電線にぶら下がっている状態を目撃されることもあるようです。
遭遇する時期や時間帯
オオコウモリは夜行性で、夕方から夜にかけて活動します。
基本的に暗くなってから活動しますが、その時間帯は種によって異なります。
完全に夜になってから活動する種や日没前から活動し始める種などの違いがあります。
ただし、同じ種でも生息地域によって時間帯が変わる例もあるようです。
ある島では日没後にしか活動しないのに、別の島では明るい時間から活動している、といった例が報告されています。
そのため、海外旅行に行った時には、可能であれば滞在する地域の情報を確認しておくことが望ましいです。
また、活動していない時間帯であっても、休んでいるオオコウモリに遭遇する可能性があります。
一般的なコウモリは、洞窟や木にできた空洞等、人の目に触れづらいところで休息します。
なので、活動時間帯以外に、遭遇する機会は非常に少ないです。
しかし、オオコウモリは洞窟などは利用せず、木の枝にぶら下がって休息します。
そのため、昼間に休息している個体に遭遇する可能性はそこまで低くありません。
オオコウモリの危険性
オオコウモリの危険性は「嚙みつかれること」と「危険な病原体に感染すること」です。
特に、病原体への感染が大変危険です。
コウモリは、人間に感染する可能性のあるウイルスを体内に保有している可能性があるからです。
しかも、感染する可能性がある病気には、狂犬病やエボラ出血熱といった深刻な感染症が含まれます。
さらに、長距離を飛行する能力を持っているオオコウモリは国境を越えて他国のウイルスを持ち込んでいる可能性もあります。
その場合、その地域では警戒されておらず対処手段があまりないウイルス感染症にかかることもありえます。
このようにオオコウモリに噛まれるとケガをするだけでなく深刻な病気に感染する可能性があります。
危険にさらされたときの対処法
上で説明した通り、オオコウモリは人間に重い病気を引き起こすウイルスを持っている可能性があります。
そのため、オオコウモリに噛まれた後、そのまま放置すると大変危険です。
嚙まれたら、まず、傷口を徹底的に洗います。
そして、体調変化の有無にかかわらず、直ちに医療機関で診察を受ける必要があります。
海外で噛まれた場合には、帰国まで我慢するのではなく現地の医療機関を受診するようにしましょう。
また、噛まれていなくても、小さな傷口などからウイルスに感染している場合もあります。
海外でオオコウモリに接触した後、帰国後に体調が悪くなった場合には、国内で専門の医療機関を受診する必要があります。
オオコウモリに噛まれてから発症するまでの期間は、保有しているウイルスの種類や体調等により異なります。
噛まれた直後になんともなくても、時間をおいて発症することもありえます。
オオコウモリに接触する機会があった後に体調が悪化した場合には、接触から時間がたっていたとしても、病院を受診しておくことが望ましいです。
危険を防ぐための対策
オオコウモリの危険を防ぐための最も効果的な対策は「素手で触らないこと」です。
体長が大きく気軽に触れる雰囲気ではないですが、よく見ると普通の小動物のような顔付きで、木にぶら下がりフルーツをおとなしく食べている動物です。
思わず手で撫でてみたくなるかもしれません。
しかし、近づきすぎると噛みつかれることがあり、さらに上で説明した通り、噛まれると重い病気に感染する可能性があります。
つまり、「万が一噛まれても、消毒しておけばそのうち治るから大丈夫」というものではありません。
また、噛まれていなくても、自分で気付いていない小さな傷口からウイルスが入り込むことがありますので接触することも避けましょう。
このように噛まれたら重い病気に感染する恐れがあるため、絶対に素手で触ってはいけません。
木にぶら下がっているオオコウモリに遭遇した場合には、むやみに捕まえたり手を伸ばしたりすることはやめて、離れたところから観察するようにしましょう。
まとめ
本記事では、オオコウモリの危険性や、危険を防ぐための対策などをまとめました。
まとめると以下のような内容を説明いたしました。
– 噛まれると重い病気に感染する恐れがある
– 噛まれた場合は直ちに病院を受診する必要がある
– 偶然見つけても攻撃性は無いため触らなければ安全
フルーツや花を食べる生き物で、顔つきも子犬や小動物のように可愛らしいです。
なので、発見したら思わず近づいたり触れたりしたくなるかもしれませんが、重い病気に感染する危険性があるので、絶対にやめましょう。
もし、オオコウモリに噛まれた場合の対処法は「傷口を徹底的に洗浄し、直ちに病院を受診すること」です。
|
あわせて読みたい